2019 10/30

クロージングイベントのお知らせです!

 尾崎森平「1 9 4 2 0 1 9」最終日11月16日(土)18:30から美術作家、風間サチコさんをゲストにお迎えして作家とのトークショーを行います。(入場無料)

尾崎森平は木版画を通して幼い頃から美術を学んできました。 その尾崎が今もっとも刺激を受け、どうしても直接話を聞いてみたい作家が風間サチコさんなのでした。風間さんは現在も富山県の黒部市美術館で「コンクリート組曲」と銘打った展覧会が開催中、他のプロジェクトも進行中の超多忙な日々をお過ごしの中、切なる尾崎の願いを叶えて頂ける事となりました。(協力:無人島プロダクション)

この機会にぜひご参加ください。

 

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2019 10/14

 この度、RED AND BLUE GALLERYでは初の個展となる尾崎森平「1 9 4 2 0 1 9」を開催いたします。

 仙台市で制作を続ける尾崎森平(おざきしんぺい、1987年生まれ)は、生まれ育った現代の東北の景色、地方都市の見慣れた幹線道路沿いのコンビニ、スーパー、ガソリンスタンドやホテルなどの建物を題材とし、それらの風景と同一画面上に時空を超えた神話や寓話、歴史的事象などを引用したモチーフを描いてきました。作家はこれらを重ね合わせることで生まれる「共振」をテーマに絵画を制作していると言います。

 VOCA展2016で大原美術館賞を受賞した作品「Ceremony」は、誰もが目にしたことがありそうな郊外の空き地や田畑を通る道路沿いに唐突に現れるラブホテルらしき建物(廃墟?)と、1934年ニュルンベルクで開催されたナチ党帝国党大会で行われた上空を貫く数え切れないほどの対空サーチライトが夜空にそびえ立つ、あの有名な「光の大聖堂」が一体となった迫力のある大作でした。

ceremony_web    Ceremony    246×196cm Acrylic on canvas mounted on board 2015     大原美術館蔵

 今回の個展ではファシスト党ムッソリーニ政権下で進められ、イタリアの第二次世界大戦への参戦によって幻となった1942年ローマ万国博覧会の為に建設されたエウル(EUR,EsposizioneUniversaleRoma)地区にある当時の先端的なモダニズム建築物をモチーフとし、これらの建物を現在の日本の地方都市でよく見かけるホテルやコンビニ、日帰り温泉施設や斎場の建物などに置き換えたシリーズ作品を発表します。 その中核をなす「ホテル・エウル」という作品では、今もエウル地区に現存する有名な「イタリア文明館Palazzo della Civiltà Italiana」(現在はFENDIの本社ビル)が、「ホテル・エウル」という名の田園の中にひっそり佇むホテルの廃墟として描かれています。国民の意識を統一し国家権力を誇示するためのファシズム建築と言われている当時のモダニズム建築物を、時空を超えて現在の東北地方の景色に溶け込ますことで作家は「共振」を生み出そうとしているのでしょう。

 尾崎森平の言う「共振」とは何を意味するものなのか。それは衰退の一途を辿る日本の地方の物悲しさの中、無機質なコンクリートと田畑や森が交わり融け合い風景となっていくことの不可思議さを描くことで、皆が薄々感じている直視に耐えられない日本の社会的課題を露わにし、それが過去の物語や歴史的事象と容易く結びついてしまうという驚きと発見、ユーモアと恐怖が渾然一体となったこの作家にしか生み出すことのできない「絵画体験」のことではないでしょうか。今回の展覧会タイトル「1 9 4 2 0 1 9」とはつまり、過去のイタリアのファシズム社会と現在の日本の社会が地続きであることを指し示しているのです。

 尾崎森平の東京での初めての個展となります。今回の「1 9 4 2 0 1 9」と銘打ったシリーズ作品群で、この作家の独特の世界を存分にご鑑賞いただけると思います。ぜひこの機会にご高覧のほど宜しくお願い申し上げます。

※初日10月25日(金)17時から作家を囲んでオープニングレセプションを行います。

Family Mart  69×91cm  Acrylic on canvas

Family Mart     69×91cm      Acrylic on canvas mounted on board 2019

 

尾崎 森平 Ozaki Shinpey

1987  宮城県仙台市生まれ

2006  岩手大学入学

2009  企画展「UNBALANSE BASE-東北とアイデンティティ-」企画(旧石井県令邸・岩手)

2010  岩手大学 卒業

2012  「Paintings 2012 – 本田 健、小野嵜 拓哉、濱 千尋、尾崎 森平 -」(SARP・宮城)

2013  「GEISAI#18 」出展(東京都立産業貿易センター・東京) 「Paintings 2013 – 本田 健、小野嵜 拓哉、濱 千尋、尾崎 森平 -」(SARP・宮城) 「EMERGING DIRECTORS’ ART FAIR ULTRA006 Nov.side No.16 河田 麻美」(スパイラルガーデン・東京)

2014  「アートフェスタいわて2013 – 岩手芸術祭受賞作品・推薦作家展+岩手県美術選奨受賞者作品展-」(岩手県立美術館・岩手) 「シグセレクト(Cyg SELECT)」(Cyg art gallery・岩手) 「Autumn Group Show」(深川番所ギャラリー・東京)

2015  「1462 days – アートするジャーナリズム」(河北ビル5F-9F・東京) 「Young Art Taipei 2015」(シェラトンホテル9階・台北)

2016  「VOCA 2016 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」(上野の森美術館・東京) 個展「DRY EYE」(ターンアラウンド・宮城) 「2016年のIMAー岩手の現代美術家たちー」(岩手県立美術館・岩手)

2018  「アートフェスタいわて2017- 岩手芸術祭受賞作品・推薦作家展+岩手県美術選奨受賞者作品展-」 (岩手県立美術館・岩手) 個展「Lonely Planet」(MORIOKA第一画廊 + Cyg art galley ・岩手)

【受賞歴】

2013 「第66回岩手芸術祭美術展」現代美術部門芸術祭賞

2016 「VOCA 2016 現代美術の展望ー新しい平面の作家たち」大原美術館賞 平成27年度岩手県美術選奨

【パブリックコレクション】 大原美術館

CONCEPT】

 私は環境心理学に触発され、 自分の生まれ育った現代の東北の景色や生活の記憶、 ステレオタイプ化された地方や田舎のイメージを引き合いに作品を作っています。(以下これらをまとめて“風景”と呼びます) 私が作品のイメージソースに風景を多用するのは、 勿論それが私のアイデンティティの外枠(ケース)を形成しているからに他なりません。 私を取り巻き、イメージを刺激するこの風景は、国境や時空、次元を超えて、 神話や寓話、歴史的事象など、あらゆる物語や史話と呼応しています。 私は制作に於いてそれらの結びつきをリアリズムに反映する試みをしているつもりでしたが、 蓋を開けてみればその試みはシュルレアリスムの探求者と同じ試みであり、 また個人的な社会へのアイロニカルなジョークの発露でもありました。 個人史を突き詰め、作品を作り続けることでしか分からない事実がある。 だからアートは面白い。 私は今日も明日も頭の中に釣り糸を垂らして、 混沌とした風景の中から食いついてくるイメージを引き上げるべく、 せっせと手を動かし、じっくり物思いに耽ります。

2019 08/21

8/31より9/14まで、RED AND BLUE GALLERYでの初の個展となる三木麻郁「カエサルピニア・プルケリマ」を開催します。(キュレーションは飯盛 希)
今年、作家がジョグジャカルタで滞在制作を行ったその成果発表を兼ねた展覧会です。
是非ご高覧の程、よろしくお願い申し上げます。
※初日の8/31土曜日17時から作家を囲んでオープニングレセプションを行いますので、お時間のある方はご参加下さい。
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三木麻郁は、一定の規則のもと星図や文章を手回しオルゴールの楽譜に変換する作品のほか、「3.11にシャボン玉を吹きながら歩いて家に帰る」や、妊娠経験のある女性たちとパンをつくるワークショップなど、多くのひとが主体的に関わるプロジェクトを展開してきた。今回の個展では、こうした制作を結び合せた、ジョグジャカルタ(インドネシア)におけるアーティスト・イン・レジデンスの成果を発表する。当地の植物に取材したドローイングやオルガニート作品を通じ、宇宙の調和について考える。(飯盛 希)
三木麻郁 / Maaya Miki
 1987年 大阪生まれ、福岡育ち、東京都在住。
2013年 武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒業。
2015年 東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修了。
 
主な個展に「sink-sign-sing:深く沈んだ信号が、私に詩を奏でている」(22:00画廊/東京、2013)、「3331アンデパンダン・スカラシップ展vol.2」(千代田3331メインギャラリー/東京、2012)、グループ展に「群馬青年ビエンナーレ2015」(群馬県立近代美術館/群馬2015)、小沢剛研究室醤油芸術研究所第一回発表会(旧鎌田醤油本店/香川、2014)「 鐘の音に色 kanenoneni-iro −カード式オルガニートの作品展− 」(Capleville写真館&カフェ/東京、2017)、など。
作家のホームページはこちらから

2019 06/07

この度、RED AND BLUE GALLERYでは6月22日から7月6日まで佐野魁(立体造形作家)、鈴木悠生(建築写真家)、半田颯哉(ニューメディアアーティスト)3人によるグループ展「トーキョー・ストリート・ビュー」を開催します。(キュレーションは出品作家の1人でもある半田颯哉)
東京という街は、オリンピック開幕を一年後に控えているのみならず、2025年まで人口が増え続けることが予測されています。一方、2011年の大震災の記憶も新しく、首都直下型地震への恐れと常に隣り合わせの街でもあります。人為的にも天為的にもスクラップアンドビルドが繰り返され、明日にでも姿を変えてしまうかもしれない今日の東京の景色をどのように記憶すればいいのか。今年3月に東京藝術大学修士課程を修了したばかりの3人の若手アーティストグループの作品によって、東京という街のイメージに変化を生じさせ、新たな視点で記憶する方法を提示します。
是非ご高覧の程、よろしくお願い申し上げます。

kaisano001                           佐野魁「まなざす風景」 H2200×W2600×D1300mm 東京芸術大学卒業制作展より

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鈴木悠生「Architecture」アーカイバルピグメントプリント 1350×1118mm

          
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半田颯哉「落とし物シリーズ」インスタントフィルム108×88mm

<展示作家プロフィール>
▪️佐野魁 Kai Sano
1994年生まれ 静岡県出身。2017年愛知県立芸術大学美術学部彫刻科卒業、2019年東京藝術大学大
学院美術研究科修士課程修了。
主なグループ展に「Crossing Factors」(2017年、EFAG Gallery)、「愛知県立芸術大学卒業制作展」(2017年、愛知県美術館)、「ATLAS展」(2018年、東京藝術大学取手校地)、「東京藝術大学卒業制作展」(2019年、東京藝術大学大学美術館)など。


▪️鈴木悠生 Yu Suzuki
1991年生まれ 東京都出身。2017年東京工業大学工学部建築学科卒業、2019年東京藝術
大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士前期課程修了。
主な個展に「Pray for nothing」(2018年、「ゼンカイ」ハウス)。主なグループ展に「第67回東京藝術大学 卒業・修了作品展」(2019年、東京藝術大学絵画棟アートスペース)「Applied Images」(2018年、キヤノンギャラリー品川オープンギャラリー2)、「EINSTEIN STUDIO ARCHIVES」(2017年、IMACONCEPT STORE)など。


▪️半田颯哉 Souya Handa
1994年生まれ 広島県出身。2019年東京藝術大学大学院美術研究科修士
課程修了。主な展示に「public void()」(2018年、東京藝術大学大学会館展示室)、「CODES OF
CONDUCT」(2018年、CLEAR GALLERY TOKYO)、「東京藝術大学 卒業・修了作品展」(2019
年、東京藝術大学大学美術館)など。

2019 02/28

この度、3月16日より4月13日まで、味岡伸太郎展「枝と枝の間」を開催します。 3月16日(土)17時より味岡伸太郎と櫻井拓によるトークショウを行います。(要予約・無料)

 

櫻井 拓 

編集者。1984年宮城県生まれ、京都府在住。アートの分野を中心に、作品集や展覧会カタログ、書籍などの印刷物を編集。最近の仕事に、瀬尾夏美『あわいゆくころ――陸前高田、震災後を生きる』(晶文社、2019年)、『ゴードン・マッタ゠クラーク展』(東京国立近代美術館、2018年)、『引込線2017』(引込線実行委員会、2018年)、『池内晶子|Akiko Ikeuchi』 (gallery21yo- j、2017年)など。近刊に、福士朋子✕北澤憲昭✕櫻井拓『絵画と時間と――『お絵描き少女☆ラッキーちゃん』をめぐって』(BLUE ART、2019年3月)。

eda04_web和紙・木炭 72×104.5cm  2018

 味岡の作家としてのスタートとも言える「書」。それはその後に続く「土」による作品へも深く繋がっています。味岡がこだわる線を引く行為、ドローイングとしての「書」、また文字に対する考えを突き詰めたベクトルの結果としての軌跡。今回は画面の上に無作為に置いた枝と枝の空間に、木炭に依って自在に味岡流の筆跡が現れています。

 この展覧会は昨年の11月に豊橋のギャラリーサンセリテにて同タイトルの展覧会で発表された作品で構成されます。ギャラリーサンセリテの広々とした空間とは違い、限られたスペースの中でじっくりと鑑賞して頂けると思います。是非この機会に味岡ならではの「書」、ドローイングををご高覧下さい。

eda02_webeda03_web和紙・木炭 104.5×72cm  2018